お詫び
 現在、東日本大震災により、更新を控えさせて頂いております。
 申し訳ございませんが、何卒ご理解の程宜しくお願い致します。
| 管理人から | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
はじめに

 <ご挨拶>
 
 植松 誠一郎
 株式会社 植松商会
 代表取締役社長 植松誠一郎


 このたび、『世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業』というブログを立ち上げることにしました。
 弊社は機械工具商社として、60年の歴史を持ち東北+栃木に約800社の製造業のお客様と取引をしています。
 その中で実感していることは、東北+栃木には景気の荒波の中にあっても独自のフィロソフィと世界に誇る技術力でキラリと光芒を放ち、地域社会に貢献し続けている会社がたくさんあるということです。
 それらのお客様は決して世界的にネームバリューがあったり、売上が何千億円もあるような会社ではありません。東北人の美質がそうであるように、それらの会社は月見草のように控え目で謙虚です。
 しかし、私が世界の果ての何処かで『東北にはどんな素晴らしい会社があるんだい?』と聞かれたら、胸を張ってわがことのように自慢したい会社が東北にはたくさんあります。
 そういう会社様をこれから月一くらいのペースでご紹介してゆきたいと思います。目標は100社の会社様のご紹介です。よろしくお願いします。

                                                (2009年5月12日)

| ごあいさつ | 00:01 | comments(2) | trackbacks(0) |
未来を照らす挑戦者
 新しい世界に飛び込むのは、とても勇気がいることです。

 誰しも、新しいことを始めるときには様々なことを考え、躊躇し、変化を恐れて動けなかったりします。
 しかし、新しいことに挑戦することで、それまで見えなかった大きな視野が開けるようになります。

 今回、全くの異分野・異業種に自ら飛び込み、大きな光で私たちを照らそうとしている東北の企業をご紹介します。

 
 
 「ノウハウはありませんでした。」
 開発課の菅原泰彦課長と長南隆之課長代理は笑います。

 宮城県大崎市鹿島台にある「東北プレス工業」。名前の通り、精密プレス加工と組み立てを得意としている会社です。
 しかし、昨年4月から同社は全く異なる分野への挑戦を始めました
 それはLED関連分野でした。

 中国に自社工場を持ち、海外からの調達を活かしたその技術は、産業界だけでなく農業界にも大きな可能性を秘めており、様々な所から注目を集めています。

 

 ■ホームページ: http://www.tohokupress.com/


 今回、世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「東北プレス工業 株式会社」様を、LEDをテーマに御紹介致します。


◆挑戦と転機がもたらす成長

 東北プレス工業様は、1978年に宮城県で創業されました。
 創業当時は電信柱などのプレートなどを作られていたと言います。
 その後、近郊にある大手電気機器メーカーの仕事を始めたことで、金型部品の製作や組立などを始めました。

 電気機器メーカーの下請け企業として安定した成長を続けていく中、一つの大きな転機が訪れました。
 日本国内を覆う暗雲、「バブルの崩壊」でした。
 
 これまで来ていた仕事はほとんど無くなり、同社は別の道を模索します。
 そこで同社が選んだ道は、以前購入し倉庫に眠っていたプレス機を用い、プレス加工を始めるというものでした。コネクターなどの精密プレス加工部品の製造を幅広く行うようにしていったのです。
 「一つの転機と言えばそうですが、そうなるように仕向けられたというか(笑)」と菅原課長は振り返ります。

  
 <同社のディスプレイにはプレス加工品が所狭しと展示されている>

 その後、平成8年に生産設備機器の開発・設計を開始し、さらに営業範囲を広めた同社は再び軌道に乗り、平成13年には中国に工場進出を果たしました。
 「今は商社的なことをしながら、お客様と直接会って、お客様がどんなことを望んでいるか、一緒に出来ないかを聞いて回っているんです。」

 この営業姿勢こそが、同社の今日を作ったといっても過言ではないかもしれません。


◆ソーラーLED街路灯
 
 「(宮城県)大崎市の合同庁舎にも『ソーラーLED街路灯デモ機』が1台展示されているんですよ」
 
 同社は昨年から、プレス・組立てに次ぐもう一つの柱とするべく「LED関連産業」に進出しました。
 「まだ開発段階で、公に販売を始めているわけではないのですが」とは言うものの、先月も石巻市のとある老人福祉ホームに12台を納入されたのだそうです。

 
 <ソーラーLED街路灯>
 
 消費電力を大幅に削減でき、かつ長寿命。CO2排出量削減の切り札として話題のLED。
 この本業とは全く異なる分野への挑戦のきっかけは、「これからはLED!」という打算からだったそうです。
 「すでにLEDは市場に出ていましたが、高額だったんです。もし中国からのルートで仕入れ、お手頃な価格で提供できれば商売になるのではないかと思ったんです。」と言います。

 しかし、前述のとおり全くの異業種・異分野。
 ノウハウも無く、調べるところから始まった、まさにゼロからのスタートでした。

 「調べるほどに様々な規制や問題があることを知ったんです。」
 ソーラー式となると、日光が当たらなくても1週間灯りが点いていないといけない、というものや、PSE(電気用品安全法)の規制、それに加え「電磁波」の問題などでした。
 LEDから発生する電磁波が一定量以上となると、一般家庭の電化製品にノイズが出てしまうのだそうです。事実、北上市や栗原市でも他社のLED街路灯でノイズが発生するという現象が起こったのだそうです。
 
 一つ一つを試行錯誤しながらも、同社はようやく製品化に成功しました。
 
 
 <開発課の菅原泰彦課長(左)と長南隆之課長代理(右)>
 
 「でも『いいね』とは言ってもらえるんですが、まだ決して引き合いは多くないんですよ」と長南課長代理は苦笑いを浮かべます。

 このソーラーLED街路灯は太陽光パネルを使用し、なおかつ蓄電するバッテリーが必要なため、まだ気軽に導入できる価格ではないのだそうです。
 「本体一式ではなく、『LEDのパーツが欲しい』と言われてしまうんです(笑)」

 とは言え、消費電力は1/5〜1/10
 まだ足踏みをされている所も少なくありませんが、今後の改良の如何によっては、私たちの生活に当たり前のように浸透していく可能性を秘めているのです。


◆花をコンビニで買える時代へ
 
 LEDの明かりは単なる照明という役割だけに留まりません。
 同社は産学連携により、このLEDを用いた野菜栽培の研究を進めています。
 
 産学連携、そして同社を含む民間企業とメディアが一体となり、立体配置LED光源を用いた小規模野菜工場』を開発。東京ビッグサイトで開催された「アグリビジネスフェア」に出展し、好評を得ているのだそうです。

 

 4色のLEDを使用することで、そのかね合わせによって発育も良くなり、味や色味も増すのだそうです。
 このやり方であれば通常40日ほどかかる収穫までの期間が、半分の20日ほどで収穫可能になると言います。
 「LEDを使った大規模なビニールハウスなどはすでにありますが、小規模なものはそう多くありません。とは言え、今の形状ですとまだ鑑賞程度。もう少し量が採れるように改良を進めています。」

 長南課長代理は未来を見据え、さらにこう続けます。
 「人くらいの大きさの栽培機を作って、ゆくゆくはスーパーやコンビニに設置させたいんです。新鮮な野菜を直接抜いて買える。しかも水耕栽培なので洗わないでそのまま食べれるんです。」
 そして、もし買ったその日に食べなくても、家庭でその野菜を“保育”できる事も併せて検討しているのだそうです。

 「ジュースと同じ感覚で120〜150円で野菜を買える時代にしたい。野菜だけではなく、コンビニで生きた花を買える。そんな時代になっていくのではないか」と長南課長代理は目を輝かせました。

 まだまだ課題は少なくないと言いますが、実現に強い自信があるからこそ具体的な夢を語れるのではないかと感じました。


◆未来への大きな可能性
 
 同社は、太陽光やLEDがもっと身近に感じられるように出来る試みとして、「お日様発電所」の設置などを行っています。
 
 
 <お日様発電所。子どもにも太陽光が身近に感じられるように出来ている>

 「産業はCO2排出量を減らしていますが、反面、一般家庭からの排出量は増えてしまっています。一般家庭にLEDを普及させていくためには、蛍光灯タイプの開発が必要なんです。」
 すでに蛍光灯タイプのLEDは市場に出ていますが、高額なことに加え安定器の工事などが必要であり、なかなか手が出せない状況です。
 「一般の方が手を出せるように、安定器の工事無しでそのまま使えるものを開発していかなければいけないんです。」
 夢はどんどん膨らんでいるようでした。

 「もちろんそれ以外でも、お客様の望んでいることを聞き、それを一緒に行っていけないかの提案をしていくつもりです。」


 本業のみならず、様々なことにチャレンジを続けていく東北プレス工業様。
 近い将来、同社のソーラーLED街路灯が当たり前のように私たちを照らし、そして新鮮な野菜をつくる太陽となるかもしれません。
 その日が来るのが楽しみでなりません。
 

 (取材協力:菅原泰彦 開発課課長、長南隆之 開発課課長代理、
                                   東北プレス工業 株式会社 社員の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
 Harasaki_photo

 大和営業所長
 原 日出男

 昨年4月より新規開発部門を立上げ、色々な分野に挑戦されていることは、とても勉強になります。
 当営業所も4月より新設開所をして、東北プレス工業様と御付合いさせて頂いております。

 挑戦されることを学ばせて頂いて、今後ともより良い関係を続けさせて頂ければと思っております。


 
 ■ご意見、ご感想、ご要望がございましたら、ぜひお寄せ下さい。
   ※下記のコメント(comments)をクリックし、書き込みをお願い致します。
     (表示はされません)
 
 
   (取材日:2月3日 取材・構成: 鈴木 昭彦 ・ 鈴木 希映瑠)

| 東北の企業(宮城) | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) |
真剣勝負!
 「真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。」

 明治の文豪、夏目漱石の言葉です。
 私たちは「真面目」という言葉を口にしますが、本当の真剣勝負をしているでしょうか?
 いつでも気を抜かず、とことん追求していく。
 今回は「真剣勝負」という看板を掲げ、常に製品とともに自らを磨き続ける企業をご紹介します。



 
 「何に対しても真剣勝負!」と石川社長は言われます。
 「図面通りに作って、公差(※)の中に入っていれば『それで良し』となっていないだろうか。もっと考えて、追及をしていくことが大切なんです。」
 

 福島県白河市。
 かつて“白河の関”と呼ばれる関所が置かれ、古くから東北の玄関口としても知られている街です。
 東京都心部から新幹線で90分程であり、首都圏へのアクセスの良さから大手企業の工場も進出し、今なおいわき市などと共に関東との物流の玄関口として機能しています。
 

 東北自動車道・矢吹ICから降りてまもない白河市大信第一工業団地の一角。
 ここが今回ご紹介する世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「株式会社 YSK」様です。
 
 ここはお客様のご要望に沿った高品質な「シャフト」を製造している会社です。
 
 

 ◆ホームページ : http://www.shaft.co.jp/
 

 “シャフト”とは簡単に言えば「軸」です。
 一般的に軸・シャフトといえば長い丸棒をイメージされるのではないでしょうか。もちろん、それも正解です。
 「回転によって動力を伝えるもの」が本来の意味であり、実は形は直線形だけでなく、用途に合わせて様々な形状をしているのです。
 
  
          <様々な同社製のシャフトが展示されている>
 
 しかし、そこで求められるのが軸の中心の精度です。回転によって動きを伝えるため、中心がズレていれば振れが発生してしまうのです
 
 YSK様の製品は、より精密に、正確に作られた高品質のシャフトであり、様々な産業に使われているのです。
 
 
 今回、社長の石川直人様と製造係長の福島直樹様に話を伺いました。
 

 ※公差=機械加工において、図面に表示された寸法(基準寸法)と全く同じ寸法で加工を行うことはできないため、部品の長さに応じて実際の寸法として許される最大値と最小値が決められている。公差とはその最大値と最小値の差のこと。
 
 
◆福島工場誕生
 
 YSK様は元々、高周波による焼入れを生業とする会社でした。
 現・取締役会長の山口裕嘉様と専務取締役である山口朝巳様を含む“山口三兄弟”で、1973年に山三工業株式会社を大阪で設立。
 そして1984年からシャフトの製造を始めました。
 今でも本社は大阪ですが、手狭となったために工場を1990年に九州に建設します。
 順調に業績を伸ばしていく中、社名を「YSK」に変更し、東京にも営業所を出店したのです。
 「それまでは西日本の売り上げが中心だったんです。そこで、『いざ東日本』となったのですが、工場が九州では納期も物流コストもかかってしまうことに気付いたんです。」
 
 東にも製造拠点を   。社長は関東一円の土地を探されたといいます。
 「でも、関東の人は都心に向かって就職したがる傾向にあり、都心部以外では人が集まりにくいというアドバイスをもらったんです。」
 それならばと社長の目は一気に関東を飛び越え、東北・福島県へと向けられました。
 飛び込んだ先は白河市役所。工場建設の土地を探している旨を伝えたところ、「親切に話を聞いてくれて、とんとん拍子に話が進んでいったんです」と社長は顔をほころばせます。
 
 しかし、福島工場建設が決まった後も不安はあったと言います。
 「北に来たことがなかったので、寒さや路面凍結に対する不安がありました。それに今でこそ出来てきましたが、こちらに企業間のつながりはありませんでしたので、自社設備の組立てなども自分たちで全てやらなければいけなかったんです。」
 
 何とか設備を導入し、人集めにも市役所は協力的だったこともあって、2008年6月、YSK様の福島工場が操業を開始したのです。
 
 広い工場内に所狭しと並ぶ数々の機械。旋盤やフライス盤、マシニングセンターなどの工作機械はもちろん、自社製の設備や大型の炉もあります。
 「この辺りのこういった製造設備では一番大きいのではないか。」と石川社長は胸を張られます。
 「この工場では4mのシャフトも作れます。また、長尺ものの焼入れもできるので、それだけでもニーズに応えることが出来るんです。」
 
  
    <福島工場内。自社製の大型炉や工作機械が所狭しと並んでいる>
 
 「それでも、苦労は多かったですよ」
 工場を作った直後、全世界的な「リーマンショック」に端を発して大不況が起こりました。
 「仕事は半分に減ってしまったのに工場は稼働させないといけない。本気で『やっていけるのか?』と思いましたね」と社長は言われます。
 しかし、そんな苦労を乗り越え、今では次を見据えています。
 「ゆくゆくは九州の工場以上にここを育てていきたいんです。」
 福島工場をまるでわが子のように話される社長の姿がとても印象的でした。
 
  代表取締役 石川 直人 様
      <代表取締役 石川 直人 氏>
 
 
◆10分以上回る「コマ」
 
 YSK様の高い技術力。それを裏付ける面白い試みが同社では行われています。
 それは“コマ回し”です。
 
 ただのコマではありません。φ50×長さ100mmの材料を自分の手で削って作ったものですコマは中心がズレていれば上手く回りません。シャフト同様に中心をしっかりと出すことが大切なのです。
 同社は毎年5月に行う経営方針発表会の時に、各自が持ち寄った自分だけのコマで勝負をするのだそうです。
 
  駒
 <削りだしのコマ。精密なため、回っている姿は静止しているようにしか見えない>
 
 では、優勝するコマはどれくらいの時間、回ると思いますか?
 なんと、15分くらい回るのだそうです。もちろん、手で回してです。
 よほど中心がしっかりとれていないと出来ない技です。
 ちなみに、最低でも10分は回らないと優勝は難しいと言います。
 
 手で10分以上回り続けるコマ。
 それを作れる技術こそ、同社の持つ技術の証なのです。
 
 
◆社内マイスター制度の導入
 
 10分以上回るコマを作ることが出来る技術。それはあくまで同社の技術の延長線上にすぎません。
 お客様に満足して頂ける製品を作り上げるために、そしてその技術をさらに向上させるために、同社は「マイスター制度」を設けています。
 
 「あくまで社内のものであり、国家資格でも何でもないんですが」と社長は謙遜されますが、その内容は極めて本格的であり、難易度は低くないと言います。
 主な項目は、旋盤加工、フライス加工、円筒研磨。現在5〜10級まであるそうですが、10級とはいえ甞めてかかれない代物です。
 制限時間内に課題をクリアーするためには立ち位置や工具等の置き方などにも気を付けなければなりません。更に級が上がればスピードに加え、品質・技術レベルも要求されるのです。
 
 現在、福島係長で6級の資格者。同社の中でも6級保持者は福島係長を含めて2〜3名しかいないのだそうです。
 とは言え、この6級保持者の福島係長に次ぐ人材をこの福島で育てるべく、日々努力されていると言います。
 「人を育てるのは、なかなか難しい」と福島係長は苦笑いを浮かべました。
 
  製造係長 福島 直樹 様
    <福島工場 製造係長 福島 直樹 氏>
 
 
◆Y(躍進!)、S(真剣!)、K(感謝!)
 
 「何事も真剣勝負。『図面の指示通りに出来ているからイイヤ』ではなく、常に考えながら追及していくことが大切なんです」と社長は言われます。
 「自分のコマを作っているときは真剣で、よりコマが長く回るように追及しますが、お客様の物を作っているときも同じように出来ているかどうかなんです。」
 
 シャフト以外でも、今後は直動関係や5面加工機を含めた丸物以外の仕事も増やしていきたいと言います。
 東日本での同社の拡充のためには、東京営業所とこの福島工場の頑張りが不可欠です。
 そのためにも、「現地出身の人がリーダーシップをとっていってくれるようになって欲しいんです。」
 横で頷く福島係長も、熱く語る社長と同じ気持ちなのだと痛いほど感じました。
  
 
 
 同社はYSKの頭文字を捩って「躍進」「真剣」「感謝」と謳っています。
 感謝の気持ちを持ち続け、そして真剣勝負を常に実践していけば、これからも同社は大きく躍進していくでしょう。
 
 いつでも真剣勝負。だからこそ同社の作った製品は、コマのように回り続け、やがて私たち産業全てを回す大きな軸となっていくのかもしれません。

 世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業、「株式会社YSK」様、益々のご繁栄を祈念致します。
 



 (取材協力:代表取締役 石川直人 様、製造係長 福島直樹 様、株式会社 YSK 社員の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
 Utsumi_photo

 白河営業所長
 内海 浩章

 日頃から大変お世話になっております。

 YSK様の(躍進)(真剣)(感謝)の理念のもと、真剣勝負で物作りに励まれる姿勢には日々感心させられます。
 私共も良きパートナーと成れる様に、YSK様の製品のPRと販売に努力して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。


 
 ■ご意見、ご感想、ご要望がございましたら、ぜひお寄せ下さい。
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   (取材日:12月8日 取材: 鈴木 昭彦 ・ 菅原 信也、構成: 鈴木 希映瑠)

| 東北の企業(福島) | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) |
世界一の脱水技術
 私たちの生活には欠かせないものがあります。

 携帯電話やパソコン、洗濯機など、必要不可欠なものが世の中には溢れています。
 その中には、前述の携帯電話のように見えるものもあれば、なかなか目につかないものも多く存在しています。
 今回は、目立たないかもしれませんが、私たちの生活に関わる重要な機械を製作している企業をご紹介致します。



 「私たちの作っている製品は目には見えにくいのですが、間違いなくどこかで関わっているんです」
 工場長の尾河様は真っ直ぐな目で言われます。
 
 
 日本でも有数の大河・北上川が海へと合流する街・石巻。淡水と海水が入り混じるこの海は、まさに魚の宝庫であり、それを表すように石巻漁港は今なお、東洋一の水揚げ岸壁の長さを誇り、水揚げ量も日本でも有数のところです。
 その豊かな海の資源を利用した水産加工の会社も多く、また、古くより製紙業も盛んに行われています。
 最近では、この地にゆかりのある故・石森章太郎のキャラクターをモチーフにした漫画によるまちづくりを行っていることでも知られ、多くの観光客が訪れています。
 
  Ishinomaki Mangakan
 
 今回ご紹介する、世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「富国工業 株式会社」様。
 海と合流するすぐ手前の北上川沿いに工場を構えるここは、「スクリュープレス」と呼ばれる脱水機を国内のみならず世界中に発信している会社です。
 
 

 ■ホームページ : http://www.fkc-net.co.jp/
 
 今回、石巻工場取締役工場長の尾河公伯様に話を伺いました。
 
 
 ◆富国工業誕生
 
 富国工業様の設立は昭和34年。東京の台東区で産声を上げました。
 創業者は元々“なたね”や“ひまわり”などの搾油機の設計等をされていました。
 搾油機の仕組みは“スクリュープレス”と呼ばれ、産業革命時代から用いられてきた歴史のあるものです。
 元々は小型のものであり、50〜100回転/minでスクリューを回して油を作るものですが、それを「回転を落として、径を大きくしたら色々な可能性があるのではないか」と可能性を見出します。
 それは、搾油以外の食品への転用や、製紙・化学分野への進出でした。
 
 創業者はスクリュープレスの可能性に賭け、会社を設立。そして、今なお同社の看板商品である「スクリュープレス式連続脱水機」を発表したのです。
 
  
 <スクリュープレス式連続脱水機とその内部のスクリュー>

 
 「元々、機構が単純なので、真似をしようと思えば真似ることができるんです」と尾河様は言います。
 今ではインターネットで「スクリュープレス」と検索すると、20〜30社くらい引っかかってくるのだそうです。
 しかし、そのスクリュープレスが広まるきっかけを作ったのは、間違いなく同社の貢献なのです。


◆様々な業界で使われるスクリュープレス式連続脱水機
 
 同社の「スクリュープレス式連続脱水機」の最初のお客様は漬け物メーカーだったと言います。漬かったキュウリや白菜を漬け汁から絞るのに用いたのです。
 食品業界での更なる飛躍を図り、次に同社が目を付けたのが蒲鉾や魚肉ソーセージの原料となる「魚のすり身」でした。
 大手水産加工会社とともにすり身となる魚の主漁場であるベーリング海へ渡り、試行錯誤を重ねた結果、ついに製品化に成功。その性能の高さから大ヒット商品となり、会社は大きく成長していったのです。
 それに合わせ、昭和47年に石巻工場が操業を開始しました。
 
 「でも、脱水機は上手くいったのですが、すり身の中に混ざった小骨や異物の除去の問題も見えてきた」のだそうです。
 そこで脱水の前工程としてすり身の中の小骨や遺物を除去する「リファイナー」を開発。
 たちまちヒット商品となり、まさに飛ぶように売れていったのだそうです。
 「出荷が間に合わず、出来て間もない石巻工場がリファイナーで埋まったこともありました」と工場長は笑います。

  
 <大ヒット商品となったリファイナー(左)。すり身精製機と合わせ、同社の成長の要因となった>

 
 その優れた脱水技術により、新たな分野から話を持ちかけられます。
 それは製紙工場からの問い合わせであり、紙パルプの脱水排水の汚泥の脱水でした。
 
 例えば古紙。これは回収してきた紙を水と薬品で溶かします。そして溶けた中でパルプ質のみを取り出し、脱水するのです。
 その導入をきっかけに、それ以外でも様々なところでこの脱水技術を活用されるまでに至ったと言います。
 
 「使われ方はパルプや汚泥だったり、食品だったりと様々ですが、目に見えにくいだけで間違いなく私たちの生活に関わっているんです」
 
   
 <脱水され、スクリューにより排出される>

 
◆業界のリーダーとして
 
 水産加工と製紙業をはじめとした様々な分野への進出。同社の製品はたちまち全国に広まり、ダントツのシェアを誇っています。
 
 「大手の製紙会社にはほとんど導入されています。もちろん、他のメーカー品もありますが、昔の資料では排水に限定するとスクリュー式脱水機の95%は私たちの製品でしたと工場長は言われます。
 また、世界的にこれだけスクリュー式脱水機を売っている所はないのだそうです。
 
 同社が今、新たに進めているのは携帯電話や家電製品に用いられるABS樹脂の脱水です。
 通常の樹脂はペレットと呼ばれる数世領鎧劼鰺呂して形を作りますが、このABS樹脂は200μ程のパウダー状です。溶かして形を作ることは同じですが、ABS樹脂は水に入っており、前工程として脱水し、ドライヤーで乾かしてから使用しなければならないのです。
 
 「樹脂なので、あまり絞りすぎると熱が発生し、溶けてしまうんです」
 お客様であるメーカーにとって、脱水の質が高いほどその後工程のドライヤーの熱量を抑えることができ、コストが大きく変わってくるため、要求も必然的に高くなるのです。
 
 富国工業様は培ったノウハウをもとに、精製した米と同じくらいの水分15%ほどまでの脱水に成功。パウダー状を保ったまま脱水させられる技術は、今のところ同社のみしかないと言います。

 「パウダー状のABS樹脂ならば色々な混ぜ物が出来るので、多様なニーズがあるんです」と工場長は目を輝かせます。
 
 業界のリーダー業界No.1として、まだ誰もやったことのないことに挑戦し、道を拓き続けているのです。
 
 スクリュー
 <脱水するもののニーズに応えるため、スクリューは大型化している>

 
◆成長はお客様とともに
 
 「絞るものを選ばない。それが私たちの強みなんです」と工場長は笑みをこぼされます。
 同社はスクリュー式脱水機のメーカーですが、決まったラインナップではなく、基本的にお客様に合わせて作るため全てが一品物です。
 「この業界に大きなメーカーは他にもあるのですが、決まったことしか絞れません。私たちは絞るものによって独自のノウハウでスクリューを変えていることで、大きなメーカーには出来ないことにも対応できるのです」
 もし初めて扱うものであれば、とことんテストしてから見積もりを出すことを徹底されているのだそうです。
 そのため、営業も商社には基本的に頼らず、直接やりとりをしてお互いに最善の方法を見出していると言います。
 
 「パルプなどももっと絞ることが出来るのですが、その代わりコストがかかるといったデメリットも出てくる。それが伝わらないと問題になってしまうんです。私たちはスクリュー式脱水機メーカーとして、どんな難問にも逃げ出したりせず、お客様と一緒に最善の方法を探していきたい
 
  尾河工場長様
 <尾河工場長様。お客様との関係を非常に大切にされている>

 
 現在、同社の販売網は国内だけでなく海外にもありますが、その製品の設計や製作はここ石巻ですべて行っています。
 つまり、ここ石巻から発信される技術が、日本全国で、そして世界中で求められ、応え続けているのです。
 
 確かに表舞台に立つ技術や製品ではないかもしれません。しかし、私たちが口にするもの、目にするもの、手に取るもの全てに間違いなく関わっている技術の一つなのです。
 古くからある技術、けれども今なお進化を続けている技術。
 その進化はお客様の声から道が拓け、お客様とともに成長し、私たちの生活の中により深く関わっていくこととなっているのです。
 
 脱水という技術で社会に貢献し続ける、世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「富国工業 株式会社」様、益々のご繁栄を祈念致します。
 

 (取材協力:石巻工場取締役工場長 尾河公伯様、株式会社 富国工業 社員の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
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 石巻営業所長
 太田 茂

 富国工業株式会社様には、日頃より大変お世話になっております。
 
 長年の経験と技術力により、あらゆる物の脱水に取り組んでこられております。
 今まで、お客様の脱水の要望で絞れなかった物は殆どなかったとの事です。
 今後も、色々な物への脱水にチャレンジして行くと思いますが、良きパートナーとして長くお付き合い出来るよう努力してまいります。

 今後とも宜しくお願い致します。


 ■ご意見、ご感想、ご要望がございましたら、ぜひお寄せ下さい。
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     (表示はされません)
 
 
   (取材日:12月3日 取材: 鈴木 昭彦 ・ 菅原 信也、構成: 鈴木 希映瑠)

 
| 東北の企業(宮城) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
岩手から世界へ 産学官の力の結集!!

 「三人寄れば文殊の知恵」と言います。

 これは普通の人でも三人集まることで良い知恵が生まれるという諺です。
 では、三つの大きな力が集まれば、一体どうなるでしょうか? さらにより良く、私たちが想像も出来なかった新しいものが生まれることでしょう。
 今回は、産・学・官という大きな力が結集され、私たちの想像をもできなかった製品を世に生み出す東北の企業をご紹介します。



 「地場(岩手県)で大学や地域のモノづくりの連携して、新しい技術や製品を世界に発信していきたいんです」
 片野圭二社長は、この言葉に強い決意を持って語ります。
 
 産学官の連携。この言葉は最近ニュースや新聞でも耳にしたり目にするフレーズです。
 今回ご紹介する世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「株式会社 アイカムス・ラボ」様。ここは、岩手大学が初めて送り出した企業…3名から始まった、まさに大学発のベンチャー企業です。
 
 
 
 ホームページ:http://www.icomes.co.jp/
 
 今回、代表取締役の片野圭二様に会社の成り立ちと今、そして未来について語って頂きました。

 
◆岩手大学発ベンチャー企業
 
 岩手県盛岡市。「幾春も 華の恵みの露やこれ 宝の珠の山」 かつて南部藩に属し、今も昔も岩手県の中心であるこの街は、北東北の最大の街でもあります。
 
 その盛岡市に拠点を置く岩手大学に隣接した盛岡市産学官連携研究センター。ここはこの建屋の一角にアイカムス・ラボ様の本社があります。
 
 「全てが手探りのスタートでした」
 社長は当時を振り返ります。
 アイカムス・ラボ様の創業は2003年。話は更にその1年前にさかのぼります。
 当時、盛岡市にあったプリンター製造を行なう大手電気機器メーカーに勤めていた社長に、ある転機が訪れます。
 それは、事業所の閉鎖という過酷な現実でした。
 
 プリンターの設計や技術に携わっていた片野社長は、この転機に一念発起。異動の話を断り、独立の道を歩き始めます。
 「閉鎖という出来事に背中を押されたのは間違いないですが、それ以前から独立したいと考え始めていたんです」と笑います。
 
 会社から離れた片野社長は、岩手大学の2名の先生とともにある研究に着手することになります。その研究とは、アイカムス・ラボ様の持つ技術の粋とも言うべき「マイクロ歯車」でした。
 
 岩手大学の先生とは、現・副学長の岩渕明氏とアイカムス・ラボ様の取締役としても名を連ねる清水友治氏。両名ともトライボロジーと呼ばれる「摩擦」「磨耗」「潤滑」の専門であり、プロフェッショナルでした。
 産学官の連携を掲げる岩手県は、昭和62年からINSと呼ばれる「産学官交流、研究の機会提供」を企画しています。前職時代の片野社長と両先生もそこで出会い、そしてプリンターに用いられる技術を一緒に研究していたという縁があったのだそうです。
 「会社を辞めたので『じゃあ、一緒に研究していきましょう!』となった」と言います。
 そしてその研究にあたり、「経済産業省の研究開発事業に応募しましょう」となり、経済産業省から認可がおりたことで国と大学の協力の下で、ついに大いなる一歩を踏み出しました。
 
 その1年後には、研究で積み上げてきた技術をもとに会社を設立。「株式会社 アイカムス・ラボ」が誕生したのです。
 
 「技術や製造にしか携わったことが無かったので、経営や経理などは全く分かっていませんでした。会社を作ったことで初めて全体の動きや会社としての機能、人や会社との付き合いが分かってきました」と社長は言います。
 
 会社設立時は3名しかいなかったメンバーも、2010年10月末現在で18名にまで増えました。
 「第2の人生として苦労しながらも楽しくやっています」と笑います。
 
  
◆技術の結晶「マイクロ歯車」
 
 同社の製品は「マイクロ歯車」を使った小型の機器です。
 マイクロ歯車はその名の通り、直径1个曚匹梁世気砲いつもの精密な溝が入った樹脂製の歯車。その溝の隙間は0.05个函¬椶魘鼎蕕靴童ないとその溝を確認できないような代物です。
 これは、岩手大学の持つ金型の技術の結晶とも言うべき精密な射出成形品(※)なのです。

 マイクロ歯車
 <世界最小の歯車製品を実現させた同社の技術>
  
 この歯車の製作を実現させたことにより、同社の顔である不思議歯車減速機が誕生することとなります。
 
 不思議歯車減速機はハーモニックドライブと同じく作動歯車の原理を活かしており、内部に複数の歯車を組み込むことで、1回の噛み合いで1/100程度まで減速させることが出来るのです。
 小型で、かつ低価格で提供が可能であるため、高度化する産業のみならず、あらゆる分野への可能性が秘められています。

 不思議歯車減速機
 <不思議歯車減速機の内部構造。複数の歯車を組み込むことで1/100の減速を可能にする>
  
 この減速機をモーターと組み合わせたマイクロアクチュエータは、今年の6月にΦ4の物も発売開始。その大きさから、人型ロボットの指関節に組み込むことも可能なのです
 
 
 <最小でΦ4のアクチュエータも標準品としてラインナップしている>
 
 ただ、ここに至るまでは決して平坦な道ではなかったと言います。
 歯車の精密な金型の製作、実際の設計や組立、動かしてみた時に要求するトルクで、要求する寿命となっているかの検証…全てが地道な積み重ねでした。それも、組立や検査をするにしても市販のものでは対応できないため、装置なども全て自分たちで作ったのだと言います。
 「大変でしたが、やりがいがありましたね」と社長は笑います。
 
 今では一部の製品や特殊品などの組立は自分たちで行なっているのだそうですが、地場の協力工場にも部品製作や組立を依頼されており、月産でトータル5000〜10000個程度の製品を世に送り出しているのだそうです。
 
 (※)射出成形=溶かした樹脂(プラスチック)を金型に流し込んで作る造形方法。
 
 
◆大いなる可能性
 
 「元々このマイクロ歯車は、ある製品の部品として開発したものなんです」
 同社の歴史の中で、初めて世に送り出した製品は、胸ポケットに入る携帯電話用の超小型のプリンターでした。
 「前職でプリンターを作っていたので、頭がそこから離れなかったんですよ」と笑います。
 
 primpact
 <同社の最初の製品「プリンパクト」>
 
 厚さ12弌7搬單渡弾瑛佑了ち運びが簡単で、いつでもどこでもプリントできる。この製品はたちまち話題となりました。
 「でも話題にはなりましたが、ビジネスにはならなかったんです…」
 そこで社長がふと閃きます。

 「プリンターよりも、このプリンターに入っている歯車部品のビジネスの方が良いのではないか」

 その発想が功を奏し、「自分たちが想定していなかった分野でも可能性が見えてきた」のだそうです。
 
 研究され尽くした感のある歯車ですが、発想や目線を変えるとまだまだ新しい用途や機能が眠っていると言います。
 アナログの時計にも多くの精密な歯車が使われていますが、それはあくまで回転を伝えるものであり、「私たちが用いる歯車は『力を伝えるもの』であり、形そのものが異なる」のだそうです。
 
 「どれだけ提案力が持てるか、なんです」
 同社の強みは、お客様のニーズに合わせて自分たちの製品をカスタマイズしていけることです。
 既存の製品は製品として提供しつつも、要望に合わせて提案し、開発していく。それは、製品が進化を続けていくということと同義なのです。
 
 事実、お客様のニーズに応え、手動と自動を両立させることが出来る技術を開発し、現在特許申請中なのだと言います。(マイクロ歯車は特許取得済み)
 この技術はカメラのフォーカス機能や計測機器などに用いられており、その他にも流体を精密にコントロールするポンプやバルブなどにも使われています。最近では薬液の搬送や燃料電池の精密な流体制御への応用などが進められており、ますます期待されている技術です。
 
 この元々部品として生まれた歯車は今後、理化学分野、医療機器、計測機器、介護福祉分野へとフィールドを広げ、私たちの未来を創っていくようになるのです。
 
 
◆岩手から世界へ
 
 アイカムス・ラボ様の社名は「Iwate Communication and Mechatro Systems Laboratory」の頭文字をとったものです。
 社長は、これを企業理念そのものと言います。
 「地場でメカトロ技術、人と人のコミュニケーションに携わる事業をやって行くと決めたんです」
 
 片野社長
 
 社長は地場でモノづくりを行う必要性についても言及します。
 「日本の製造業や技術が海外に流出していますが、長期的に見れば日本にとってマイナスなんです。私たちは、小さいながらも技術を地場で積み上げていくことで、10年後、30年後にその分野で対抗できる技術を残したいんです」
 
 また、社長は東北に優秀な人材を残したい、とも言います。
 関東や中部、関西に比べてみると、東北は企業の数も少なく、いかに良い人材がいても外への流出を抑えきれません。だからこそ、「東北に こういう会社があるならやってみよう!と思われるようになりたい」と力強く言い切られます。
 
 同社の本社のある場所は前述の通り岩手大学と隣接した「盛岡市産学官連携研究センター」。ここは(企業)(岩手大学)(岩手県・盛岡市)の連携にもっとも適した場所であると同時に、優秀な人材(学生)を確保するためにも最適な所なのです。
 
 展示会などにも独自で出展されるそうですが、最近は岩手県とコラボレーションして出展することも多いと言います。
 「私たちの製品は小さくて、動きのある物です。色々なところにニーズがあると思っているんです」
 社長が自ら足となり、今は製品の売り込みに奔走されているのだそうです。
 
 様々な分野で活躍していくことになるだろうアイカムス・ラボ様の製品。まさしく産学官の三位一体となって生まれた技術は、岩手という地で大きく成長し、日本で、そして世界でなくてはならないものに成長していこうとしています。
 
 まだ歴史こそ浅い会社かもしれませんが、学の土に官の水で育った力強い芽です。これからどんな大きな花を咲かせていくのか楽しみでなりません。
 
 世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業、「株式会社 アイカムス・ラボ」様 益々の御繁栄を祈念致します。

  

 (取材協力:代表取締役 片野圭二様、株式会社アイカムス・ラボ 社員の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
 千葉
 北上営業所長
 千葉 恒太郎

 日頃から大変お世話になっております。

 世界初超小型プラスチック不思議歯車減速機の特許を取得し、医療機器、介護・福祉ロボット、測定器とさまざまな分野に取組んでおられます。
 当社もこれから良きパートナーしてお付き合いできるよう日々精進してまいります。
 今後とも宜しくお願い致します。


 ■ご意見、ご感想、ご要望がございましたら、ぜひお寄せ下さい。
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   (取材日:11月2日 取材・構成: 鈴木 昭彦・鈴木 希映瑠)

| 東北の企業(岩手) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
品質・安全・技術を業界一へ
 誰でも、美味しくて、安全で安心なものを口にしたいものです。
 
 それは自分だけではなく、家族が口にするものなら同じことが言えるはずです。
 安心だからこそみんなの食卓に笑顔があり、安全だからこそみんなが健康でいられます。
 今回は、確かな品質で「家族の一員」が口にする安全をお届けする東北の企業をご紹介致します。



 「安心と安全をお約束するために、日々努力しているんです」
 齋藤直志工場長が幾度となくこの言葉を口にされます。

 宮城県山元町に拠点を構える「ドギーフーズ株式会社」様。この言葉の裏側には、自社の製品への絶対的な自信が隠されているのです。
 

 ペットは今や家族の一員です。
 かつてペットは狩猟のパートナーであったり、防犯やネズミ捕り等のために人と生活を共にしてきました。今日ではその役割に一段落し、介護や生活の補助の役目であったり、友人や家族として癒しを与えてくれる存在となりました。
 愛犬と一緒に泊まることが出来る施設も増え、ペット用品店で扱われるものも可愛らしいものが豊富です。
 そんなペットに最も気をかけることは、人と同じく食事です。
 いかに大事に接していても、その食事の如何で病気にもなれば、いつでも元気で笑顔をくれる家族の一員であり続けてくれます。
 
 今回ご紹介する世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「ドギーフーズ株式会社」様は、CMでもお馴染みの「ドギーマンハヤシ」の100%子会社として、ペット用のジャーキーを製造している会社です。
 
 
 
 ホームページ:http://www.doggyman.com/
 

 ペットが普段から口にするものだからこそ、安心・安全、そして高品質なものを。
 宮城県山元町の地で「安全」「安心」を生み出しているドギーフーズ様の歴史と取り組み、そして「これから」を工場長の齋藤 直志様に語って頂きました。
 
 
◆東日本の拠点・山元の地へ
 
 ドギーフーズ様の前身である「日食商事蝓廚昭和59年に九州は福岡で創業しました。
 元々は惣菜などを作っていた「日本食品」のペットフード部門としてのスタートでした。

 当時のペットフード業界の盛り上がりもあり、順調に成長を続けていきます。
 本社九州工場も第三工場まで拡張しましたが、一極集中で流通が福岡〜大阪間だった為、災害等で全国への流通が滞ってしまうリスクを回避すべく、九州から離れた東日本へも拠点を作る必要性がありました。
 
 平成6年に東北山元工場建設後に、西日本に大きな被害を残した1995年(平成7年)の「阪神大震災」が発生し、関西圏は被害甚大でしたがなんとか全国への供給を間に合わせ、工場拠点を西と東に分けた判断が間違いではなかったと再認識しました。
 
 「空港も近く、(親会社である)ドギーマンハヤシ本社の大阪や、福岡本社工場まで3時間以内で行ける。それがここを選んだ理由でもあるのです」
 敷地面積4450坪。山や木々に囲まれた自然豊かな宮城県山元町で同社の「東北山元工場」の歴史が刻まれ始めたのは1994年(平成6年)のことでした。

 
    <工場の周りにはリンゴ園が広がる>
 
 その後、2002年にドギーマンハヤシの100%子会社となり、今の社名であるドギーフーズに名を変えて今日の同社があるのです。

 
◆ジャーキーの発信基地
 
 「東北山元工場はヘルシージャーキーの専用工場です」
 同社の主力製品はもちろんドッグフード。
 東北山元工場は、そのドッグフードの中でも特に人気の高い“ジャーキー”を製造しているのです。
 
 ペット用のジャーキーを世界で初めて製品化させたのは、実はドギーマンハヤシ。日本だけでなく世界のペット市場の先駆けでもあるのです。
 たちまち大ヒット商品となったジャーキーは、今ではペット業界の中でも大きな市場を持つまでに至ったのです。
 
 東北山元工場がスタートしたときは、それこそ一日中作り続けても需要に追いつかなかったと言います。
 「早朝から日付が変わるくらいまで作り続けていました。近所に住んでいた受験生が、工場の灯りを励みにして勉強していたと聞いたこともあります」と工場長は笑います。
 
 元々は九州でもジャーキーを作っていたそうですが、その他のドッグフードを作る中、次第にジャーキーの製造は東北に移ってきたのだそうです。
 現在、日本一を誇る最大生産能力1100t/月の中、そのジャーキー用の機械は合計で18ライン生産量は30t/日にものぼるのです。(※)
 
 
   <機械と人の手により、効率良く高品質なジャーキーが製造される>
 
 もちろん、既存製品の生産のみにとどまらず、OEMや自分たちで製品を考案し、製品化・製造しているのだそうです。
 「最近では岩手の地鶏“赤鳥”を使ったものも作りました。もちろん、数は限られてしまうのですが」
 
 一時はビーフが主流だったジャーキーも、ことペット業界においてはヘルシーさを売りとしたチキンが最近では一般的です。
 同社製品も「ささみ」を使ったものから「七面鳥」を使ったものまでラインナップされており、その中で地元ならではの食材であるブランド鶏などもペット用として店頭に並んでいるのです。
 
   
 <同社のラインナップは多種多様。操業当時からのヘルシージャーキーS(写真・左)や、アキレススティック(写真・中)、岩手の赤鶏(写真・右)を使用したものもある>
 
 「実際に口にするのは犬です。私たちは犬の『食いつき』を基に検証し、製品化しているんです」
 人間が食べても美味しいものを、と素材を厳選して作られており、そうして作られた同社のものはやはり犬の「食いつき」が違うのだそうです。
 犬にとって美味しい。それも同社のこだわりの一つなのです。
 
 最近では様々なメーカーのジャーキーが同様に店頭に並んでいますが、同社の独自技術により生み出され開拓してきた市場であるため、そのこだわりは他の追随を許さないと言います。
 
 ※東北山元工場と九州本社工場を合わせての生産能力。

 
◆品質・安全・技術を業界一へ
 
 「ペット用とは言え、食品である以上は安定した品質のものを提供していきたいと思っています。」
 工場長は言います。「その為にも社内で独自の基準を設け、より安心・安全なものを作るようにしています。」
 
 同社は品質の国際基準であるISO9001を認証取得しています。しかしそこで満足せず、「お客様から期待される品質・安全・技術を業界一へ」という高い目標をスローガンに掲げ、信頼のフードづくりを通してペットライフのサポートを実践しているのです。
 
 良い製品を作るには、良い環境から。同社の取組みは社内にとどまらず「環境配慮」にも向けられています。
 前述の通り、同社は山元町の山や木々に囲まれた自然豊かなところ。もし工場からの排水が汚れていたら、近隣の自然環境全てに影響を及ぼしてしまいます。
 「だからこそ、保健所の定める基準よりもさらに厳しい水質基準をクリアした浄水にして放水しているんです」
 
 また、工場から出るゴミも「従業員の昼食のゴミくらい(笑)」と言う徹底ぶりなのです。

 
 <同工場内の排水処理装置。工場からの排水は厳しい基準で浄化され、放水される>
 
 安定した高水準のジャーキーを作るための見えない努力。その積み重ねこそが今日の信頼であり、これからも続いていく「挑戦」なのです。
 
 もちろん、品質においては安全が何より。無添加にこだわりつつ、賞味期限を確実に保ち、鮮度を保つ技術が隠されているのです。
 
 
◆これからもヘルシージャーキーとともに
 
 「ゆくゆくは東北山元工場を2倍の規模にしていきたい」と工場長は言います。そして「より安全で安心なものを提供していきたい」とも力強く語ります。

 
 <生産部製造課係長:箱崎 正志様(左)と工場長:齋藤 直志様(右)>
 
 数多いペットフードメーカーの中でも有数の知名度を誇るドギーマン。海外のメーカーが多い中、国内のメーカーでは5本指に入ります。
 「安心と安全を求める海外のお客様も増えてきている」と語り、今後海外へのドギーマンの市場拡大を品質で支えていくという強い決意を感じさせて下さいました。
 
 「私たちはヘルシージャーキーとともに生きてきた会社です。従業員一同その初心を忘れずに、変わらない品質の製品を高いレベルで供給し続け、お客様が本当に求め満足していただけるペットフードを安定的に提供するために、製品づくりには一切妥協せず良い物を送り出し続けていきたいですね」
 
 ペットは家族の一員。
 その家族が口にするものだからこそ、人間と同じように安心・安全なものを。
 その高品質の追求こそが何よりの信頼に繋がっているのです。
 「Made in Japan」の製品は、実は「Made in Tohoku」。日本のブランド力の向上は、実はこの東北が担っているのです。
 
 世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業、「ドギーフーズ株式会社」様、益々の御繁栄を祈念致します。
 

(取材協力:東北山元工場長 齋藤 直志様、生産部製造課係長:箱崎 正志様
                           株式会社 ドギーフーズ 東北山元工場の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
 仙南営業所所長 千葉 文夫
 仙南営業所長
 千葉 文夫

 お世話になっております
 
 ドギーフーズ株式会社様には日頃大変お世話になり誠に有難うございます。
 ペットフードといっても人間と同じ食品衛生基準をクリアする品質管理の徹底には本当に感心いたします。

 実は我が家のペット(柴犬)にも市販のジャーキーなどをおやつとして与えておりますので、そういう意味では公私共にお世話になっていることになります。

 私共もドギーフーズ様の安全と安心、そして高品質なペットフード作りに対する限りない追求心を見習い、日々精進して参りますので宜しくお願い申し上げます。
 


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   (取材日:9月15日 取材・構成: 鈴木 昭彦・鈴木 希映瑠)
| 東北の企業(宮城) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
3つのお客様の満足のために

 物を作るのも、物を売るのも、物を買うのも人です。

 時としてつい、その「人」を忘れ、自己満足になってしまうのも人間です。
 「人」を一番に考えることから、良い物が生まれる。
 そんな、人を常に考え、一世紀近い歴史を刻み続ける企業を、今回はご紹介致します。



 「“3つのお客様”を満足させられなければ、良いものも外に出ていかないんです」
 山本丈実社長は、熱い口調で語ります。

 “3つのお客様”とは、「製品を使われるお客様」「製品を売って下さるディーラー様」、そして「製品を作る社員」を指しています。

 人を大切にする。山本社長の原点は、ここにあるのです。


 
 今回、世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業としてご紹介する「株式会社 山本製作所」様。
 ここは農業機械や環境関連機械、そして食品加工機械の設計・製造を行なっている山形県の会社です。
 一世紀に近い歴史の中で積み重ねた信頼と技術は、この東北のみならず、日本、世界でも光り輝いているのです。
 
 株式会社 山本製作所
 ・ホームページ:http://www.yamamoto-ss.co.jp/
 

 同社の歴史と技術、そして「人」と「環境」をテーマに、代表取締役・山本丈実様と執行役員製造部長の大沼信彦様、執行役員経営企画部長の長岡和之様に話を伺いました。
 
 
◆はじまりは越前刃物行商
 
 時は江戸。越前で作られた刃物は好評を博し、瞬く間に全国に名を轟かせました。
 今のような交通網も乗り物も無い時代。「行商」と呼ばれる人たちが全国各地に赴き、その越前刃物を売り広めたのです。
 この東北へも日本海側を北上し、浸透していきました。

  越前打刃物
          <越前打刃物>
 
 山本製作所様の創業者・山本惣次郎氏も、この行商の一人でした。越前刃物を売りながら北上し、ここ山形県へ訪れたのです。
 農業豊かな東北。山本惣次郎氏は「越前刃物を活かした農機具を提供していこう!」との想いから、「桑切り機」の製造・販売を始めます。大正7年(1918年)のことでした。
 
 その後、人力脱穀機や米選別機などを矢継ぎ早に発表し、そのいずれも多くの方に愛用されました。
 
 米選別機は、これまで主流だった「唐箕(とうみ)」と呼ばれる風で籾殻などを選別する方法とは異なり、ピアノ線を用いて選別していく方法。当時はまさに画期的な製品であり、その後の農機具の開発に大きな影響を与えたのです。

 
 <同社の展示場には昭和30年代の製品が展示されている>
 
 昭和36年(1961年)に「株式会社 山本製作所」を発足。その後様々なヒット商品を生み出し、今日に至っているのです。

 
◆環境配慮へのこだわり
 
 同社の事業は、大ヒット商品として山本製作所の名を全国に知らしめた“カッタ(切断機)”や“穀物乾燥機”などの「農機」、“減容機”などの「環境分野」、そして誰しもが一度は目にしたことのある“コイン精米機”などの「精米関連」の3本柱です。
 
 山本社長は、その中でも「環境関連に力を入れていきたい」と言います。
 何でも、新商品の開発も抜かりなく、これまでは乾燥機の技術で培った「燃やす」という技術を注力した“発泡スチロール減容機”しかラインナップはありませんでしたが、ここ数年で2つの商品を発表したのです。
 
 一つは“木質ペレットストーブ”
 安全性とデザイン性を重視したという通り、デザイナーには山形出身でフェラーリのデザインなどを手掛けてきた奥山清行氏を採用しているのです。社長は今後、需要が伸びてくることを確信しています。

 木質ペレットストーブ
 <環境に配慮した木質ペレットストーブ。安全とデザインを両立させている>
 
 そしてもう一つの商品は、今年の5月に満を持して発表された“造粒減容機”です。
 これまで、どんなに減容してもゴミにしかならなかったエアーキャップ(※1)やプチプチ、そしてミラーマット(※2)などの緩衝材を細かく裁断し、再利用を可能とさせた画期的なものです。
 「これまでエアーキャップなどは圧縮梱包して廃棄するしかなかったんです。それも、どんなに圧縮しても2割程度しか減容することが出来ませんでした。しかしこの造粒減容機を使えば、実に1/40くらいに減容することが出来るんです
 細かく裁断されたエアーキャップは「有価物(=リサイクル可能)」に変わり、溶かして新たな石油製品として生まれ変わります。
 つまり、ゴミ排出ゼロ(=ゼロ・エミッション)の達成に大きく貢献できるのです。
 
  
        <造粒減容機。ゼロ・エミッションに大きく貢献する>
 
 もちろん、そのゼロ・エミッションを推進する立場として、同社自身も昨年通期でのゼロ・エミッションを達成しているのです。
 環境関連商品を製造・販売する立場のあるべき姿を見せられた気がします。
 
 ゼロ・エミッション達成
 <同社内にはゼロ・エミッション達成の賞状が飾られている>
 
 また、環境関連以外で外すことの出来ない同社の製品として、前述の「コイン精米機」があります。
 同社の製品で最も知られているものですが、無洗米に仕上げるコイン精米機をいち早く世に送り出したのは、実は同社なのです。
 無洗米は、ただお米を炊くのが楽になるというだけでなく、水の節約に貢献し、環境に優しいという面を併せ持っているのです。
 ここでもまた、同社の製品が優しい環境づくりの一助となっているのです。
 
 コイン精米機
 <同社の看板商品であるコイン精米機。無洗米精米が可能>
 
 (※1)エアーキャップ=プラスチックシートの中に気泡が入っている緩衝材の一つ。
 (※2)ミラーマット=果物や割れ物などを梱包する際に用いる緩衝材の一つ。

 
    エアーキャップ                  ミラーマット
 

◆“3つのお客様”の満足のために
 
 「お客様の顔が見える営業をしていこうと決めたんです」
 社長は真っ直ぐな目で語ります。
 
 Yamamoto_photo
    <山本丈実 社長>

 
 同社は製造と販売を行なっているメーカーですが、その商品は直接使う方へ売るのではなく、ディーラーを通して提供されているのです。
 大沼部長曰く、「以前に顧客満足度調査を実施したところ、(山本製作所の)顔が見えないと言われた」のだそうです。
 その言葉を聞き、同社は悩みました。
 どうしたらお客様に山本製作所の顔が見え、そして身近に感じてもらえるだろうか。
 お客様に満足して頂けるように、どうしてもその距離を縮めたい。
 そのたどり着いた一つの応えが、年2回の情報誌「SPACE」の発行でした。
 
 自社の農機具のメンテナンスのアドバイスや、実際に同社の製品を使用されているお客様のところに赴いて話を伺ったインタビュー記事など使う人の立場に立ったつくりで、より身近に感じていただけることに成功したのです。
 「山本製作所の製品を使用されているお客様と、それを売って下さるディーラー様を合わせて、毎回約70000部ほど発行しています」と長岡部長は言います。
 
 この「SPACE」という情報誌のタイトルは、同社の取り組みの頭文字でもあります。
 その取組みとは…
 
 peed・・・・・・・・・・・・・・より早く
 ersonal touch・・・・・親切丁寧
 ccuracy・・・・・・・・・・・安全正確
 o-Operation・・・・・・・お客様のために
 conomy・・・・・・・・・・・・より安く
 
 一人のお客様でも大切にしたい。そんな想いがこの取り組みに、そしてその取り組みを冠とした情報誌には込められているのです。
 
 SPACE
 <情報誌「SPACE」。全国のお客様、ディーラー様に配布される>
 
 「“3つのお客様”にご満足頂けるようにする」
 社長は、働く社員の満足にも言及します。
 「社員もお客様という考えなんです。社員が、やる気を持ってもらえるような環境を作らないと、いいものは作れません」
 
 人を大切にする。お客様を大切にする。
 その想いが、同社の今日の信頼につながっているのです。


 
 <同社の要である大沼様(左)と長岡様(右)>
 

■向上の一路に終点なし
 
 「改善活動はずっと続けているんです」
 前述の通りゼロ・エミッションを達成している同社工場ですが、以前から常に改善に目を向けており、ここ数年でさらに大きく変わってきたと言います。
 
 7年前にセル化を導入したのを皮切りに、3年前に平準化(※3)を、そして今年になって同期化(※4)を導入されました。
 大量にラインで作るスタイルから、個別に生産する方法に切り替えたことで、「在庫はピーク時の半分以下に減りました。筋肉質な体質になりましたよ」と笑います。
 
 必要なものを、必要なときに、必要なだけ。この思想はトヨタ自動車の「ジャスト・イン・タイム」と呼ばれる生産方式にも聞こえますが、同社の考えは若干異なります。
 「大企業ならばともかく、下請けに負担をかける場合のあるやり方はできません。山本製作所には山本製作所に合った、下請けの企業も良くなるような生産方式をとっていかないといけないと考えているんです」
 社長は同社のスタイルを「山本製作所方式」と形容します。
 
 「今後、協力工場も支援して、同期化・平準化に対応できるように指導していくつもりです」
 
 自分たちのみが良くなるのではなく、皆でよくなるように。ここにも人を大切にする気持ちがしっかりと根付いているのです。
 
 「環境」と「人」を常に考え、自らの技術に驕ることなく、私たちの生活を支える機器を一世紀近くに渡って提供し続ける株式会社 山本製作所様。
 ここが作り出しているものは、本当は機械ではなく、「みんなの幸せ」なのかもしれません。

 
 世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業、「株式会社 山本製作所」様。益々の御繁栄を祈念致します。


(※3)平準化=様々な種類の部品を均等にばらして生産すること。(⇔ロット生産)
(※4)同期化=部品加工や組立が必要な分だけをタイミングに合わせて生産していくこと。


 (取材協力:代表取締役社長 山本 丈実様、 執行役員製造部長 大沼 信彦様、
         執行役員経営企画部長 長岡 和之様、株式会社 山本製作所 社員の皆様)

 



◆お世話になっています!

 
 仙台営業所長 千葉
 仙台営業所長
 千葉 朋之


 日頃から株式会社 山本製作所様には大変お世話になっております。

 山本製作所様とお付き合いをさせて頂き、9月でちょうど1年になります。
 今回の取材の際に、日々のお付き合いの中ではなかなか聞けない貴重な話を頂戴しました。
 その中でも、特に「3つのお客様の満足のために」とお聞きした時には、私も見習わなければと強く感じました。
 これからも山本製作所様のお力になれるように、日々励んでまいります。
 何卒、宜しくお願い致します。



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     (表示はされません)
 
 
   (取材日:8月9日 取材:菅原 信也 ・ 鈴木 昭彦、構成:鈴木 希映瑠)

| 東北の企業(山形) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
デザインをリニューアルしました。
 デザインをリニューアル致しました!!

 今後とも皆様に、東北と栃木の世界の果てまで伝えていきたい企業をご紹介してまいります。
 ご期待下さい!!
| 管理人から | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
ブラシの歴史は会社の歴史
 開発と進化は休み無く続いています。

 誰かが生み出したからこそ、今の私たちの生活を便利にするものがあり、誰かが進化させたからこそ、かつては夢だった現実がここにあります。
 今回は、今では決して欠かすことの出来ないものを生み出し、そしてそれをさらに進化させ、あらゆるモノづくりを支え続けている東北の企業をご紹介致します。



 宮城県角田市。
 仙台から南へ1時間弱のこの街は、古くは養蚕が盛んな地であり、穏やかな田園が広がる日本の原風景を残しています。そしてもう一つ、高度経済成長期には自動車メーカーや電気メーカーが多く進出し、宮城県南部の工業の中心になりました。
 
 
 角田市の市街地から車で10分、市内の中心を流れる阿武隈川を渡り、川沿いを北上すると間もなく見えてくる白い建物。
 それが今回ご紹介する、世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業、「株式会社 錦」様です。
 
 
 その建物は、工業用ブラシの製造および販売を行なっている株式会社 錦様の工場です。
 
 株式会社 錦 様
 ■ホームページ : http://www.brush-nic.co.jp/
 
 
 ブラシといっても、用途も種類も様々です。
 私たちが毎日使う「歯ブラシ」や、女性が化粧に用いる「メイクブラシ」、清掃に使うブラシ、また楽器演奏の際にブラシを使うこともあります。
 
 では、錦様が作っているブラシはどんなものでしょうか。それは、前述の通り「工業用ブラシ」です。工業用ブラシは、塗装の剥離、金属のサビとり、バリとり、洗浄などに使われます。
 今こそホームセンターなどで日常的に見ることができるため、認知度は高くなっていますが、その歴史は古く、錦様がその歴史を作ってきたと言っても過言ではないのです。
  
 
 今回は、工場長の斎藤様と営業担当の大坪様にお話を伺いました。
 
 
◆「ワイヤーカップブラシの錦」への成長
  
 同社の創業は昭和7年。先代の社長の西木茂雄様より、「錦商会」が設立されました。
 昭和48年には西木政雄様が社長に就任しました。西木政雄社長は、それまでの国内製産のブラシから海外へ目を向け、ドイツに市場調査に赴き、様々な用途の工業用ブラシが作られていることに刺激を受けたそうです。
 日本国内では工業用ブラシと言えばまだ専門職向けのものばかり。社長はドイツにならい、誰でも使える小型のワイヤーブラシの製造にとりかかりました。現在ホームセンターで手軽に手に入るワイヤーブラシ、それには同社が大きく関わっていたのです。

 「それでも当初はやはり大変だったようです」と、大坪様は言います。

 日本で初めて作ったということは、『まだ誰も知らない』ということ。サンプルを持って問屋に営業に行っても、『こんなもの売れない』と突っぱねられたそうです。
 しかし、良質な製品ゆえ、また地道に営業を続けたことにより、徐々にお客様が増えていきました。そして、「ワイヤーカップブラシの錦」と呼ばれるまでになったのです。

 その後は追従するメーカーも増えていきましたが、現在も業界のトップを邁進し、そのシェアは業界の約50%以上を占め日本一を誇っています。
  
 今では自社ブランドとしてだけでなく、OEMとしても大手電動工具メーカーに供給しています。
 「他の材質を使った製品も作っていますが、カップブラシは今でも主力製品のひとつです。国内でもこれほど100型ディスクグラインダ用ブラシのラインナップを取り揃えているところは他にありません」と、齋藤工場長と大坪様は声を揃えます。
 
 ワイヤーブラシ
 <ワイヤーカップブラシ>

 
◆エヌグリット誕生
  
 需要の多いワイヤーブラシではありますが、長く安全性に問題がありました。
 それは、高速回転での作業中にワイヤーが折れて飛び、作業者が怪我をしてしまう可能性があるいうことです。
 
 
 西木政雄社長は就任以来、常に高い安全性と作業性を追求し、特に安全性を向上させるために、良質な線材や 製品を次々と開発してきました。そして安全性のために直目した線材のひとつが、砥粒入りナイロン材でした。

 「ナイロンには柔軟性という強みがある」

 しかし、製品化には困難を極めたといいます。
 「熱に弱い性質のため、被研磨面にナイロンが溶着してしまうのです」
 同社をはじめ、他社もこの問題解決に挑戦を続けてきましたが、なかなか成功には至りませんでした。
 
 「安全なブラシを作る!」、この想いで諦めずに開発を続けた同社は、2003年、ついに研磨面に溶着しない砥粒入りナイロンフィラメント「エヌグリット」を完成させたのです。
 完成まで、実に6年という歳月がかかりました。
 
 「通常のナイロンは80℃程で溶けてしまうのですが、このエヌグリットは耐熱性が極めて高いので、12,000回転/分のグラインダでも使用可能です。ステンレスのような熱がこもりやすいものには歴然とした差がでますよ」と大坪様は自信を持って言い切られました。
 
 同社の開発した線材とブラシ製造技術により、 「ほぼ100%安全なブラシ」が、ついに市場デビューしたのです。

 齋藤工場長は、「他には簡単に真似ができない」と、確言します。
 
 エヌグリッド
 <2010年2月に販売スタートした「NICグリットタイプ」 安全性の高いエヌグリット材使用>
 


◆2本目の柱「スーパーロールブラシ」
 
 同社の主力製品を語る際に、カップブラシの他に欠かすことのできないもの・・・、それはロールブラシです。
 ロールブラシは円柱形のブラシが回転して、洗浄や研磨をします。
 ガソリンスタンドに設置されている洗車機のブラシの「工業版」といえばおわかりでしょうか。
 ロールブラシは多くの工場設備に取り入れられ、様々な用途に使用されています。
 
 しかしこれまでのロールブラシは、中心のシャフトに直接毛が植え込まれたものが主流のため、消耗してくると、たとえ一部の磨耗でもブラシを丸ごと交換しなければなりませんでした。その消耗したブラシは、メーカーに戻して毛を植え替え(巻き替え)か、ブラシのシャフトごと廃棄しかありませんでした。
 
 そこで同社が開発したのが、「ブラシ部分の交換が簡単に行えるロールブラシ」でした。
 ドーナツ型のリングブラシをシャフトに並べて取り付け、リングブラシを重ねることで円柱形のロールブラシとするのです。
 これによりブラシ中心のシャフトは半永久的に使えるようになり、磨耗したリングブラシだけを交換すればよいため、大幅なコストダウン時間の節約となりました。
 
 
 同社の追求はこれだけにとどまりません。
 「リングブラシの形状がS字型のものも作ったのです。S字型同士を合わせるとブラシの間に隙間ができ、その組合せ方によって毛の密度を自由に調整できるようになりました」
 隙間があるといっても、研磨がムラになる心配はまったくなく、均一な仕上がりとなります。ブラシと被研磨面との摩擦による熱を、この隙間によって発生する風が冷却するのです。
 
 たちまちヒット商品となったこの「スーパーロールブラシ」は、さらにバリエーションを増やし、主力製品として日々進化し続けています。
 
 ロールブラシ
 <簡単にブラシの交換が出来るスーパーロールブラシ>
 
  
◆東北の地から高品質なブラシを
 
 同社の本社は東京都文京区にあり、工場は宮城角田市にあります。角田の地で全製品が開発、製産され、全国へ発送されていきます。
 
 
 東京から角田に工場が移転したのは、昭和44年。誘致企業として移転したということもありますが、先代社長夫人の出身地だったということも、角田を選んだ理由でした。
 工場長によると、「移転した当初の建物は、廃校となった中学校の校舎だった」そうで、「今でこそ機械が導入されているが、当時はワイヤーを束ねる、それを金具に挿入するなどの作業は、ほぼすべて手作業だった」とのこと。そのため、地元で多くの従業員を雇用することによって、地域にも貢献しました。
 
 その後、西木政雄社長が現在の工場へと建て替え、ブラシ製造機械だけでなく、製品性能試験機までも充実させ、ラインによる生産を可能にしました。
 
 高い品質を誇り、工業用ブラシメーカーとしてトップを走り続ける同社。他の追従を許さないのは、「日本で最初」という実績と、時代を超えてなお、絶え間ない品質向上の努力の賜物なのです。
 
 「安全という面でも、カタログに技術資料を載せているブラシメーカーは、当社だけです」
 使う人のことも考えた細かい気配り、これもまたトップを走り続ける理由のひとつなのです。
 
 技術資料
 <カタログの後ろには技術資料が細かく記載されている>


 
◆工業用ブラシの歴史は会社の歴史
 
 「工業用ブラシというものは、多くが設備に組み込まれているため、表には見えにくく、我々が想像していないところで使用されていることも多いのです。今後は、より多くの分野での需要に応えていければ、と思っています
 
 被研磨物の形状や材質も、今は多種多様です。
 それに応えるかたちで、前述の「エヌグリット」や、1台でホイルブラシとカップブラシの両作業を行うことができる「研削くん」などが開発され、ますます同社の進歩は続いているようです。
 表には見えにくいですが、いつの時代でも求められる工業用ブラシ。しかし、技術やノウハウも必要とする工業用ブラシ。株式会社錦様の技術と製品が、これからも必要とされ続けます。
 時代と共に変りゆくブラシの歴史は、ここで作られていくのです。
 
 
 
 世界の果てまで伝えたい東北+栃木の企業「株式会社 錦」様、益々の御繁栄を祈念致します。


 (取材協力:齋藤 利夫工場長 様、大坪 紀夫 様、株式会社 錦 社員の皆様)




◆お世話になっています!

 
 仙南営業所所長 千葉 文夫
 仙南営業所長
 千葉 文夫

 株式会社 錦様には日頃から大変お世話になっております。
 
 長年にわたり蓄積された経験と技術により、従来の工業用パワーブラシの概念にとらわれず、常にお客様の要望に応え、最適な製品を開発されておられます。
 私共も自信を持ってNISHIKI製品のPRと販売に努力して参ります。
 今後とも宜しくお願い申し上げます。



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   (取材日:7月21日 取材:菅原 信也 ・ 鈴木 昭彦、構成:鈴木 希映瑠)



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